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2005.11.18号




最近不動産の折込チラシが多いと感じませんか?

 
毎朝ご家庭に届く新聞。読売でも朝日でも日経でも構いません。夏以降、マンション、一戸建て問わず不動産の折込チラシが非常に増えていると思いませんか? 週末の朝刊には新聞本紙と同じくらいの重さの分譲マンションのチラシ。沿線や地域のものもありますが、 弊社(池袋)にも湾岸エリアや世田谷などの巨大物件のチラシが数週間連続して入っています。

景気回復?
永田町の大臣たちが口々に「景気は底を打った」「回復」とおっしゃいます。実際、大手企業の冬のボーナスはバブル崩壊後最高。就職市場も活気を帯び、 大都市の百貨店ではちょっと前までつづいていたデフレが嘘のような賑わいで、プチセレブというキャッチコピーをつけられた高級嗜好の商品が 飛ぶように売れています。
モデルルームはとにかくきれいに見えるもの
  内装オプションがたくさん使われている場合も。   

「ラストチャンス」「残1棟」という言葉に
焦らないでください!
  
   
    東証1部企業 冬のボーナスが2年連続増 平均5.2%アップ


こんな大きな見出しが11月初め紙面を飾りました。あたかも日本の全世帯のお財布が暖かくなったように
錯覚してしまいがちです。 しかし漢字ばかりの難しい本文を読んでいくと『過去最高益を更新している企業も少なくない製造業は6・4%増。これに対し、非製造業は0・6%増にとどまり、 明暗が分かれた。ボーナスの伸びが限定的な理由について、みずほ証券は「企業は増益を維持しているものの、伸び率が鈍化している上、人件費抑制姿勢は変わらず、 一段と増加する環境にない」と説明。収益の伸びが低い中小企業で支給額は抑制されがちという。』(見出し、『』内(産経新聞) - 11月8日より引用) つまり、日本企業全体がぐんぐん伸びているのではなく、好調なのは一部の限定された業種のみ、ということなのです。

 
しかしながらここ数日株価はうなぎのぼり、円安も続いて、「何か変わった(良くなった?)ようだ」と自然に感じてしまいます。 同じように景気が回復したという報道に乗じて、バブル期さながら「土地神話」を謳い、実際は供給過剰な不動産物件を売り込もうとしている・・・ この姿勢こそがものすごい量の折込チラシなのです。

  • 地価は上昇する、都心ではもう土地が買えない、こんな安い価格で土地を仕入れられたのはラッキーで、今後こんなことはないでしょう
  • 金利が上がっています。0.1%違えば、年間の支払額は、○○円も変わってしまいます
  • 管理費や修繕積立金は確かに小さくはないランニングコストですが、その分、借入がある方は所得税のローン控除が使えます。それも年々不利になってきています
  • 消費税率がUPされたらどうしますか?建物には消費税がかかるんですよ

不動産業者の営業マンは口々にこんなことを言うでしょう。確かに「ある意味」事実です。でも冷静に考えてみれば、
日本の人口は来年をピークに減少していくと予想されていて、そうなると必要な住宅戸数も当然減ります。土地やマンションが余る時代が必ず来ます。もちろんエリア的に価値が下がりにくいところもあるでしょう。(たとえば銀座や表参道など、でもそんな場所に住む人ばかりではないですよね) 極端にいえば金利上昇分や消費税増税による支払差額やローン控除による恩恵などは、物件本体価格のおまけのようなもので、本体価格が大きく下がればある程度 チャラになります。コンマいくつの金利に右往左往し焦ってマンションを購入するのは、閉店間際に特売の大根をあわてて買って、家に帰って切ってみたら 「す」が入っていたようなもの。


賃貸マンション生活を決めたM家
Mさんのご主人は銀行マン。同期が次々転勤していく中、まだ転居をともなう異動がありません。結婚後これまで子供の成長とともに2回賃貸マンションを移りました。 いずれは地方転勤があるかもしれないこと、漠然とではあるが将来は長男であるご主人は両親の住む地方都市に帰るであろうと考えていることから、 毎月払う賃料がもったいないとは思いながらも、住まいを購入することは考えずファミリーのかたちにあわせた賃貸マンションで暮らし、 その分豊かな生活をおくるという選択をしました。来年、上のお嬢さんが小学校に入るのをきっかけに奥様がお仕事に復帰されるので、 セキュリティー設備の整った築浅マンションへお引越しすることになっています。「学童から帰って一人で留守番させる時間があるかもしれないですから。 でも下の娘が小学校を卒業するころには設備より収納や広さ重視になるかもしれませんね。」賃貸ライフならではの柔軟性です。

不動産は大きな買物です。
市場や景気に惑わされず、本当に必要な場合にのみ購入してください。よく考えてみてください。
買ったものを同じ値段では売るのは難しいのが今の時代です。

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